材料費

仕入価格が上がったら材料費率はどう変わる?美容室の値上がり影響の確かめ方

公開日:2026年10月16日

Q. 仕入価格が上がると、材料費率はどのくらい変わる?

使用量と売上が変わらなければ、値上がりした材料を使った分だけ材料費が増え、材料費率も上がります。増える金額は「値上がり額×1か月の使用量」で見積もれます。あわせてメニュー原価の単価を更新すると、どのメニューの粗利に影響が出るかを確認できます。

カラー剤やトリートメント剤の価格改定の知らせが届いたとき、「どのくらい利益に響くのか」をすぐに答えるのは簡単ではありません。この記事では、値上がりが分かっているときに、材料費・材料費率・メニュー原価への影響を見積もる方法と、値上がり直後の月に数字がぶれる理由を整理します。材料費率が上がったときに原因を切り分ける方法は、関連記事「美容サロンの材料費率が上がる原因は?」で解説しています。

値上がりの影響は「値上がり額×使用量」で見積もる

仕入価格の上昇が材料費に与える影響は、品目ごとの値上がり額に1か月の使用量を掛けると見積もれます。材料費は実際に使った材料の金額のため、値上がりした材料を多く使う月ほど影響も大きくなります。

材料費の増加の目安

(新しい単価 - 以前の単価)× 1か月の使用量

材料費率の上昇幅(売上が同じ場合)

材料費の増加額 ÷ 売上 × 100

以下は、計算の仕組みを示すための架空の例です。1本1,200円のカラー剤が1,320円になり、1か月に40本使う場合、材料費の増加は120円×40本=4,800円です。売上が100万円で変わらなければ、材料費率は0.48ポイント上がります。使用量や売上が変わる月は、この見積もりどおりにはなりません。

メニュー原価への影響を確かめる

値上がりした材料の単価を更新すると、その材料を使うメニューの原価と粗利がどれだけ変わるかを確かめられます。店舗全体の材料費率だけでなく、メニューごとの影響を見ておくと、価格の見直しを検討するときの材料になります。

以下は、計算の仕組みを示すための架空の例です。売価8,000円・メニュー原価1,000円のカラーメニューで、使っている1剤の単価が上がり原価が1,090円になった場合、粗利率は87.5%から約86.4%になります。同じ値上がりでも、その材料を多く使うメニューほど影響が大きくなります。メニューごとの薬剤原価の求め方は、関連記事「美容室のカラー剤の原価計算」で解説しています。

値上がり直後の月は在庫の評価で数字がぶれることがある

単価を更新した直後の月は、在庫の金額の付け方によって材料費が一時的に小さく、または大きく出ることがあります。材料費は「期首在庫+当期仕入-期末在庫」で求めるため、期末在庫をどの単価で数えるかによって結果が変わるためです。

材料費の計算式

期首在庫 + 当期仕入 - 期末在庫

以下は、仕組みを示すための架空の例です。期首在庫は以前の単価で計算されている一方で、棚卸しの前に単価を1本あたり120円上げ、その品目が期末に10本残っていた場合、期末在庫は1,200円多く計算され、その月の材料費は1,200円小さく出ます。翌月は期首在庫も新しい単価になるため、こうしたぶれは落ち着いていきます。

これは会計上の在庫の評価方法とは別の、店舗の管理用の数字の話です。どちらの単価で数えるのが正しいということではなく、単価を更新するタイミングを店舗で決め、値上がり前後の月は2〜3か月の推移で判断すると、数字の読み違いを防ぎやすくなります。

値上がりの情報を集めて単価を更新する

単価の更新は、価格改定の知らせや請求書の単価を確認したタイミングで行い、更新した日をメモしておくと、あとで数字を振り返るときに役立ちます。値上がりは品目ごとに時期や上げ幅が違うことがあるため、まとめて後から直すより、知った時点で更新するほうが漏れを防ぎやすくなります。

  • ・仕入先からの価格改定の案内で、対象の品目と適用日を確認する
  • ・請求書や納品書の単価が登録している単価と違わないかを見比べる
  • ・単価を更新した日と、以前の単価をメモに残す

値上がりへの対応の選択肢

値上がりへの対応は、使用量・仕入先・在庫の持ち方・メニュー価格の4つの面から検討できます。どれか一つで解決しようとせず、影響の大きいメニューや品目から考えると、施術の品質を保ちながら検討しやすくなります。

  • ・使用量の目安を見直す(品質を落とさない範囲で、余りや塗り直しの増え方を確認する)
  • ・同等の商品や仕入先を比較する
  • ・値上がり前のまとめ買いは、在庫金額・保管場所・使用期限とのバランスで判断する
  • ・影響の大きいメニューの価格を見直すかどうかを検討する

メニュー価格の見直しは、客単価や来店の状況とあわせて判断する必要があります。材料費率を下げる見直しの考え方は、関連記事「美容室の材料費率を下げるには?」で整理しています。

Beautockでできること・できないこと

Beautockでは、材料の単価を更新すると、その材料を使うメニューの原価・粗利・粗利率に反映されます。棚卸しの在庫金額は棚卸しを保存した時点の単価で計算され、利益レポートでは材料費率の月ごとの推移と前月比を確認できるため、値上がり前後の変化を振り返りやすくなります。

一方で、仕入先の価格改定を自動で取り込む機能や、品目ごとの単価の変更履歴を一覧で確認する機能はありません。値上がり分をメニュー価格にどう反映するかを自動で提案する機能もないため、価格の判断は店舗で行います。14日間の無料トライアル(開始時にクレジットカードの登録が必要)で、単価を変えたときのメニュー原価の変化を確かめられます。

まとめ

仕入価格の上昇による材料費の増加は「値上がり額×1か月の使用量」で見積もれ、売上が同じなら材料費率もその分上がります。単価を更新してメニューごとの影響を確かめ、値上がり直後の月は在庫の評価によるぶれも考えて、2〜3か月の推移で判断すると、対応を検討しやすくなります。

よくある質問

Q. 値上がり分はメニュー価格に上乗せすべきですか?

A. 一律には言えません。値上がりの影響がどのメニューにどれだけ出るかを確かめたうえで、客単価や来店の状況、ほかの対応策とあわせて判断します。

Q. 値上がり前にまとめ買いしたほうが得ですか?

A. 単価だけを見れば安く仕入れられますが、その分の在庫金額が増え、保管場所や使用期限の管理も必要になります。使い切れる量かどうかを使用実績から確認して判断します。

Q. 単価はいつ更新すればよいですか?

A. 価格改定の適用日や請求書で新しい単価を確認したときに更新し、更新日をメモしておく方法があります。更新のタイミングを店舗で決めておくと、月ごとの数字を比べやすくなります。

Q. 値上がりしたのに材料費率が上がらなかったのはなぜですか?

A. 売上が増えた、使用量が減った、期末在庫を新しい単価で数えたため材料費が一時的に小さく出たなど、ほかの要因が重なっている可能性があります。数か月分の推移で確認します。

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