Q. 美容サロンの材料ロス・廃棄は、どう記録すればいい?
廃棄するたびに品目・数量・理由を控え、「単価×数量」で金額を出して月ごとに合計します。廃棄した材料は期末在庫に残らないため、棚卸しから求める材料費にはすでに含まれています。ロス・廃棄額は材料費に足すのではなく、材料費の内訳として確認します。
期限が切れたカラー剤や、調合して余った薬剤を捨てるのは、美容サロンでは日常的なことです。ただ、廃棄のたびに金額を記録していないと、ひと月のロス・廃棄額を把握しにくくなります。この記事では、材料ロス・廃棄の区別と金額の出し方、棚卸しで確認するポイント、材料費・材料費率との関係を、計算例を使って整理します。
美容サロンの材料ロス・廃棄とは
材料ロス・廃棄とは、仕入れた材料や商品のうち、施術や販売に使われずに捨てたものを指します。カラー剤・パーマ液・トリートメント剤などの施術材料のほか、店販商品の破損や期限切れも含まれます。売上にはつながらない一方で、仕入れた金額は材料費として発生しているため、利益を押し下げる要因になります。
使い残し・期限切れ・破損を区別する
ロス・廃棄は、発生した理由によって見直す点が変わります。記録するときは、次のように理由を分けておくと、あとで原因を絞り込みやすくなります。
- ・使い残し:調合したカラー剤の余りや、開封後に使いきれなかった薬剤。調合量や開封のタイミングを見直す対象です。
- ・期限切れ・品質劣化:使用期限を過ぎた材料や、開封後に変質した薬剤。仕入れ量や在庫の持ち方を見直す対象です。
- ・破損:落として割れた容器や、液漏れした商品。保管場所や扱い方を見直す対象です。
テスターの開封やスタッフの練習での使用は、捨てたものではないため、ロス・廃棄とは分けて記録しておくと、それぞれの金額を正しく比べられます。
ロス・廃棄金額の考え方と記録方法
ロス・廃棄の金額は、捨てた材料の仕入単価に数量を掛けて求めます。使いかけを捨てた場合は残っていた割合を、調合後の余りは使用量の単位あたりの単価を使います。
ロス・廃棄金額
仕入単価 × 廃棄した数量
以下は、計算の仕組みを示すための架空の例です。
- ・期限切れのカラー剤(1本1,320円)3本:3,960円
- ・開封後に変質したトリートメント剤(1本3,000円・残り半分):0.5本 × 3,000円 = 1,500円
- ・落として割れた店販用スタイリング剤(1個2,400円)1個:2,400円
- ・調合前に使用できなくなったカラー1剤の使い残し 合計120g(80g入りチューブ1本1,320円、複数本の残量合計。1gあたり16.5円):1,980円
- ・この月のロス・廃棄金額の合計:9,840円
記録は、捨てるときに日付・品目・数量・理由をメモや表に残し、月末に合計する方法が続けやすいです。調合後の余りを毎回量るのが難しい場合は、記録する対象を期限切れや破損など品目単位で分かるものから始めても構いません。1gあたりの単価の出し方は、関連記事「美容室のカラー剤の原価計算」で解説しています。
棚卸し時に確認するポイント
ロス・廃棄は、月末の棚卸しとあわせて確認すると記録漏れに気づきやすくなります。数えながら次の点を確認します。
- ・期限が切れている材料や、変質している使いかけの薬剤がないか
- ・使えないと判断したものは、期末在庫に数えずに廃棄として記録する
- ・すでに捨てた材料を、在庫として数えていないか
- ・容器の破損や液漏れで、中身が減っている商品がないか
捨てた材料を在庫として数えてしまうと、期末在庫が実際より多くなり、材料費が少なく計算されます。在庫が合わないときの確認の仕方は、関連記事「美容室の棚卸差異とは?」で整理しています。
ロス・廃棄と材料費率の関係
棚卸しから求める材料費は「期首在庫+当期仕入-期末在庫」です。捨てた材料は期末在庫に残らないため、ロス・廃棄の金額はこの式の中にすでに含まれています。ロス・廃棄額を材料費にさらに足すと二重に数えることになるため、材料費の内訳として「材料費のうちどれだけが廃棄だったか」を確認します。
材料費に占めるロス・廃棄の割合
ロス・廃棄金額 ÷ 材料費 × 100
以下は架空の計算例です。期首在庫180,000円、当期仕入150,000円、期末在庫170,000円なら、材料費は160,000円です。売上が1,500,000円なら材料費率は約10.7%です。この月のロス・廃棄が9,840円なら、材料費の約6.2%が廃棄によるものと分かります。
翌月、使用量は同じまま廃棄を減らし、その分の仕入れが5,000円少なくなったとすると、材料費は155,000円となり、材料費率は約10.7%から約10.3%に下がります。材料費の計算方法そのものは、関連記事「美容室の材料費の計算方法」で解説しています。
ロスを継続して把握するメリット
ロス・廃棄の金額を毎月記録しておくと、材料費率が上がった月に、その原因が仕入単価の値上がりなのか、使いすぎなのか、廃棄の増加なのかを切り分けやすくなります。理由別に金額を見れば、期限切れが多いなら仕入れ量、使い残しが多いなら調合量というように、見直す点も絞り込めます。
単月の金額だけで判断せず、数ヶ月分の推移で増えていないかを確認することが大切です。ロス以外も含めた材料費率の改善の進め方は、関連記事「美容室の材料費率を下げるには?」で整理しています。
Beautockでロス・廃棄を確認する方法
Beautockでは、棚卸しを確定するときに、当期仕入・売上とあわせて「ロス・廃棄額(円)」を入力できます。確定すると、利益レポートの月別一覧と各月の詳細に、材料費・材料費率とともに「うちロス・廃棄」の金額が表示され、直近のロス・廃棄額はホーム画面とレポートの指標にも表示されます。ロス・廃棄額が材料費に対して一定の割合を超えると、レポートとホーム画面の改善コメントで見直しを促します。
材料費と材料費率は「期首在庫+当期仕入-期末在庫」と売上から計算され、ロス・廃棄額の入力によって変わることはありません。入力するのは月ごとの合計金額で、品目ごとや理由ごとのロスの記録・集計、廃棄した分を在庫から自動で減らす機能、使用期限の管理、自動発注には現在対応していません。理由別の内訳は、メモや表で店舗側が記録します。14日間の無料トライアル(開始時にクレジットカードの登録が必要)で、棚卸しの入力からロス・廃棄額の確認までを試せます。
まとめ
美容サロンの材料ロス・廃棄は、使い残し・期限切れ・破損に分けて、捨てるたびに品目・数量・理由を記録し、「単価×数量」で月ごとに合計します。廃棄した材料は棚卸しから求める材料費にすでに含まれているため、材料費に足さず、材料費に占める割合として推移を確認すると、見直す点を見つけやすくなります。
よくある質問
Q. ロス・廃棄額は材料費に足して計算するのですか?
A. 足しません。材料費を「期首在庫+当期仕入-期末在庫」で求めている場合、捨てた材料は期末在庫に残らないため、すでに材料費に含まれています。足すと二重に数えることになるため、材料費の内訳として確認します。
Q. 調合して余ったカラー剤も毎回記録する必要がありますか?
A. 必須ではありません。毎回量るのが負担になる場合は、期限切れや破損など品目単位で分かるものから記録を始め、余りは目安の量でまとめて記録する方法もあります。毎月同じ方法で記録することが大切です。
Q. ロス・廃棄はどのくらいまでなら問題ありませんか?
A. 一律の基準はありません。メニュー構成や扱う材料によって変わるため、自店舗の材料費に占める割合を毎月確認し、増えている月の理由を確かめる方法が実用的です。
Q. Beautockでは品目ごとにロスを記録できますか?
A. いいえ。Beautockで入力できるのは、棚卸しを確定するときの月ごとのロス・廃棄額の合計です。品目ごとや理由ごとの内訳は、メモや表で店舗側が記録します。
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