Q. 棚卸しで在庫が合わないときは、何から確認すればいい?
棚卸差異は、実際に数えた在庫と、記録から計算した在庫の差です。まず差が出た品目を金額の大きい順に並べ、数え漏れ・単位の違い・入荷や廃棄の記録漏れの順に確認します。原因が分かったら、数え方や記録のルールを決め直します。
棚卸しをしてみたら、思っていた数と実際の数が合わない。美容サロンの在庫管理では、こうしたずれがよく起こります。この記事では、棚卸差異の求め方と、差異が出たときにどこから確認すればよいか、差異を減らすための記録とルールの決め方を整理します。棚卸しの基本的な進め方は、関連記事「美容サロンの棚卸しのやり方」で解説しています。
棚卸差異とは
棚卸差異とは、棚卸しで実際に数えた在庫と、前回の棚卸しや入荷・使用の記録から計算した在庫との差のことです。記録上の在庫は「あるはずの数」、実際に数えた在庫は「今ある数」で、その差が棚卸差異になります。
記録上の在庫数量
前回の棚卸し数量 + 入荷数量 - 使用・販売数量
棚卸差異
実際に数えた数量 - 記録上の在庫数量
記録上の在庫を出すには、入荷と使用・販売の数量が記録されている必要があります。店販商品は販売の記録から計算しやすい一方で、カラー剤などの施術材料は1回ごとの使用量を記録していないことが多く、品目ごとの差異を出しにくい点に注意が必要です。
差異は数量と金額の両方で見る
差異は品目ごとの数量だけでなく、単価を掛けた金額でも確認すると、どの差から先に調べるべきかを判断しやすくなります。数量の差が小さくても単価の高い品目は金額の差が大きく、材料費への影響も大きくなるためです。
以下は、計算の仕組みを示すための架空の例です。店販用シャンプーの前回の棚卸し数量が4本、その後の入荷が6本、販売が7本なら、記録上の在庫は3本です。実際に数えた数量が2本なら差異はマイナス1本で、1本1,500円なら金額の差はマイナス1,500円になります。
また、数量が合っていても、単価を変更した品目は在庫金額が前回と変わります。金額だけを見て差異と判断せず、数量の差なのか単価の変更なのかを分けて確認します。
差異が出る原因は3つの段階に分けて考える
棚卸差異の原因は、「数える段階」「記録する段階」「ルールの段階」の3つに分けて考えると、どこを直せばよいかが見えやすくなります。同じ品目で毎回差異が出る場合は、数え間違いよりも記録やルールに原因があることも考えられます。
- ・数える段階:置き場所が複数ある品目の数え漏れ、二重カウント、箱と本など単位の取り違え
- ・記録する段階:入荷の記録漏れ、販売・使用の記録漏れ、廃棄や破損の記録漏れ
- ・ルールの段階:テスターやスタッフ使用の扱いが決まっていない、使いかけの残量の基準が人によって違う、同じ商品を別の名前で登録している
使いかけの商品は、残量の基準がぶれると差異の原因になりやすい品目です。残量を数量に置き換える方法は、関連記事「使いかけのカラー剤はどう棚卸しする?」で解説しています。
差異が出たときの確認手順
差異が見つかったら、金額の大きい品目から順に、数え直し→記録の確認→ルールの確認の順で調べると、少ない手間で原因にたどり着きやすくなります。すべての品目を同じように調べる必要はありません。
- ・1. 差異の出た品目を、金額の差が大きい順に並べる
- ・2. 上位の品目を、ほかの置き場所も含めて数え直す
- ・3. 数える単位(箱・本・袋)が登録内容と合っているか確認する
- ・4. 納品書と入荷の記録、廃棄や返品の記録を見比べる
- ・5. 原因が分かった品目は、数え方や記録のルールを決め直して共有する
施術材料は店舗全体の材料費で確かめる
使用量を記録していない施術材料は、品目ごとの差異ではなく、店舗全体の材料費の推移で異常がないかを確かめる方法があります。棚卸しで数えた期末在庫から材料費を求めるため、数え漏れがあると期末在庫が少なくなり、その月の材料費が大きく出ます。
前月と比べて材料費や材料費率が大きく変わった月は、まず期末在庫の数え漏れや単位の取り違えがないかを確認すると、使いすぎやロスと区別しやすくなります。材料費率が変化したときの確認の仕方は、関連記事「美容サロンの材料費率が上がる原因は?」で整理しています。
差異を減らすための対策
差異を減らすには、数えやすい環境を整え、記録を残すタイミングを決めておくことが役立ちます。どれも大きな作業ではなく、店舗内のルールとして共有しておくことがポイントです。
- ・品目ごとの置き場所を決め、予備の在庫を別の場所に置く場合は品目一覧に置き場所を書いておく
- ・数える単位を品目ごとに決め、登録内容と同じ単位で数える
- ・テスターの開封、スタッフ使用、廃棄はその場でメモに残す
- ・棚卸しは毎月できるだけ同じタイミングで行う
棚卸しの準備や数える順番の決め方は、関連記事「美容室・サロンの棚卸しを早く終わらせる方法」で解説しています。
Beautockでできること・できないこと
Beautockでは、品目をカテゴリーごとに並べて、スマートフォンから棚卸しの数量を入力できます。使いかけは0.5のような小数で入力でき、数量と単価から在庫金額(材料資産)が計算されます。棚卸しを確定すると、期末在庫が翌月の期首在庫に引き継がれ、当期仕入・売上・ロスや廃棄の金額を入力すると、材料費と材料費率を利益レポートで月ごとに確認できます。
一方で、記録上の在庫を自動で計算して差異を表示する機能、入荷数量の記録、販売や施術のたびに在庫を自動で減らす機能、POS連携、バーコードでの読み取りには現在対応していません。差異の確認は、数えた結果と店舗の記録を見比べて行います。14日間の無料トライアル(開始時にクレジットカードの登録が必要)で、棚卸しの入力から材料費の確認までを試せます。
まとめ
棚卸差異は、実際に数えた在庫と記録上の在庫の差です。差異の大きい品目から、数える・記録する・ルールの3つの段階に分けて原因を確認し、置き場所や単位、記録のタイミングを決め直すと、次の棚卸しで差異を減らしやすくなります。使用量を記録していない施術材料は、店舗全体の材料費の推移とあわせて確認します。
よくある質問
Q. 棚卸差異はどのくらいまでなら問題ありませんか?
A. 一律の基準はありません。品目や記録の方法によって差異の出やすさは変わるため、自店舗で金額の大きい差異から確認し、同じ品目で差異が続いていないかを見ることをおすすめします。
Q. 差異が出たら、記録に合わせて棚卸しの数量を直してもよいですか?
A. 棚卸しの数量は、実際に数えた結果を残します。記録に合わせて書き換えると、差異の原因が分からなくなり、材料費の計算にも実際の在庫が反映されなくなります。数え直して数量が違っていた場合だけ修正します。
Q. 使用量を記録していない材料でも差異は分かりますか?
A. 品目ごとの差異は出しにくくなります。その場合は、期末在庫の数え漏れや単位の取り違えがないかを確認したうえで、店舗全体の材料費や材料費率の推移に大きな変化がないかを見る方法があります。
Q. 毎回同じ品目で差異が出るのはなぜですか?
A. 置き場所が複数ある、数える単位が人によって違う、テスターや廃棄の記録ルールがないなど、数え方や記録の仕組みに原因があることが考えられます。その品目の数え方と記録のルールを見直してみてください。
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